睡眠衛生教育について
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不眠症や睡眠障害を治療するためには睡眠薬による薬物治療が有効です。しかし、睡眠の質を高めたり健康を増進したりするための正しい知識を持ち、自分の生活を改善していくことがなによりも大切です。ここでは、「睡眠衛生教育」について概要をご説明いたします。
毎日のよい眠りを確保するためには、成り行きに任せるのではなく、適切な知識を持って、生活を望ましいものにすることが大切です。
しかしながら、すべての人が十分な正しい知識を有しているわけではなく、それどころか、適切ではない知識によって眠りの質を下げてしまっていることもよくあります。
とくに、不眠症や睡眠障害を患っている方は、その治療のために、睡眠に関わる正しい知識を持つことが非常に大切です。そのような知識を啓蒙、普及することを「睡眠衛生教育」と呼びます。
睡眠衛生教育に際しては、睡眠に関する科学的根拠に基づく正しい知識が必須であり、以下の「睡眠障害対処12の指針」が利用されています。
睡眠に関してとても大切なことが非常に分かりやすくまとめられていますので、是非、参考になさってください。
なお、下表には、当HP内の関連ページへのリンクも掲載しておりますので、必要に応じてリンク先もご覧になってください。
<睡眠障害対処 12の指針>
番号 | 指 針 | 当HP内の関連ページ |
1 | 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分 ・睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない ・歳をとると必要な睡眠時間は短くなる |
・睡眠時間は8時間が適正? ・加齢による睡眠時間の変化 |
2 |
刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法 ・就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける ・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング |
・午後のカフェイン摂取をひかえましょう ・寝る前のタバコは我慢しましょう ・リラックスタイムを持ちましょう ・音楽でリラックスしましょう ・効果的な入浴方法をご存じですか? ・アロマテラピーでリラックス ・呼吸法でリラックスしましょう |
3 | 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない ・眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする |
・精神生理性不眠症について |
4 |
同じ時刻に毎日起床 ・早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる ・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる |
・基本はやはり、規則正しい生活です! ・寝だめのコツ |
5 |
光の利用でよい睡眠 ・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン ・夜は明るすぎない照明を |
・体内時計をリセット、リセット |
6 | 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣 ・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く ・運動習慣は熟睡を促進 |
・朝食抜きはやめましょう ・寝る直前に食べないように |
7 |
昼寝をするなら、15時前の20~30分 ・長い昼寝はかえってぼんやりのもと ・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響 |
・昼寝をうまく活用しましょう |
8 |
眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る |
・長時間睡眠の問題点と睡眠の効率 |
9 |
睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意 ・背景に睡眠の病気、専門治療が必要 |
・睡眠時無呼吸症候群 ・周期性四肢運動障害(睡眠時ミオクローヌス症候群) ・むずむず脚症候群 |
10 |
十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に ・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談 ・車の運転に注意 |
・不眠症、不眠解消、不眠症治療 |
11 |
睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと ・睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる |
・寝酒・ナイトキャップは適量に |
12 |
睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全 ・一定時刻に服用し就床 ・アルコールとの併用をしない |
厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費
「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班 平成13年度研究報告書」より
参考文献:「睡眠障害の対応と治療のガイドライン」に加筆
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