周期性四肢運動障害(睡眠時ミオクローヌス症候群)
睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的にけいれんが起こり、眠りが中断されるという睡眠障害があります。これは、「周期性四肢運動障害」
と呼ばれるもので、中高年から増えてくる症状です。
ここでは、この周期性四肢運動障害についてご説明いたします。
筋肉の瞬間的なけいれんのことを専門的に「ミオクローヌス」と呼びます。そのため、周期性四肢運動障害は、別名、 「睡眠時ミオクローヌス症候群」とも呼ばれます。
ただ、この障害は、手や脚が瞬間的にけいれんするということだけではなく、ピクピクするという症状も含まれます。
自分の意志とは関係なく、身体が勝手に動くことを不随意運動と呼びます(分かりやすい例は、膝を叩くと勝手に膝が動くことです)。
この不随意運動が睡眠中に手足に連続して現れるのが周期性四肢運動障害です。眠りぎわの浅いノンレム睡眠時に起こりやすい症状です。
周期性四肢運動障害の方は、手や脚のぴくつきや瞬間的なけいれんのために深い眠りが妨げられ、眠りが浅くなったり、
中途覚醒が生じたりします。このため、熟睡感を得ることができません。
目が覚めない場合には、この症状によって自分の睡眠の質が低下していることに気付かないこともあります。
朝起きると、前日にとくに脚を使ったわけではないのに脚にだるさを感じることもありますが、このような自覚症状がないことも多いです。
ただ、脚が瞬間的にけいれんする際にひざが曲がり、この時にふとんを上へ持ち上げる、あるいは蹴ることになるので、
家族の方にこのことを指摘されるようなら、周期性四肢運動障害が疑われます。
この症状の原因はまだ十分解明されていませんが、次節で取り上げる「むずむず脚症候群」の人や、
抗うつ薬、抗てんかん薬、ベンゾジアゼピン系薬剤(睡眠薬、抗不安薬など)などの薬を飲んでいる人に多く見られ、
この薬を中断したときにも見られるようです。
また、鉄欠乏性貧血や腎機能障害の人に多いことが分かっているようで、腎透析を行っている人にもよく見られるそうです。
年齢とともに有病率が増加し、60歳を越えると34%にもなります。高齢者の不眠の原因の一つです。
周期性四肢運動障害は、その症状を抑制する薬(不随意運動を止めるような薬)
があることから、疑わしい場合は、専門医の指導を仰ぐようにしましょう。
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