睡眠時間と肥満になるリスクの関係
平成18年7月1日
富山大学大学院の関根道和助教授(公衆衛生学)らの調査で、睡眠時間が短い幼児は、 睡眠時間が長い幼児よりも中学生の時点で肥満になるリスクが高いことが分かったそうです。
調査の方法は次のとおりです。89年度に富山県内で生まれて、3歳児の時点で既に肥満であった幼児を除いて、 3歳児検診以降に継続調査できた5,520人を対象にアンケートするというものでした。
これにより、中学一年生までに肥満になった子供の割合は、以下のような結果になったそうです。
睡眠時間が11時間以上 12%
〃 10時間以上11時間未満 12%
〃 9時間以上10時間未満 15%
〃 9時間未満 20%
つまり、睡眠時間が短い幼児ほど、 中学生の時点で肥満になっている割合が高いということです。そして、この原因としては、 以下のことが考えられるそうです。
・睡眠時間が短いと、脂肪を分解する成長ホルモンの量が減少するため
・睡眠時間が短いと、交感神経の活動がおさまりにくくなり血糖値が上がるため
以上は、幼児の調査結果ですので、小中学生以上の子供や成人、高齢者も10時間以上の睡眠をとった方がよいかといえば、 そうではないでしょう。
ただ、少なくとも幼児期の間は、10時間以上の睡眠時間を確保するのがよいかもしれません。それは、 成長過程にある赤ちゃんや子供は、 多くの睡眠をとることでたくさんの成長ホルモンを分泌させ、自分の体を作っていっているからです。
幼児期の頃のよい睡眠習慣の形成は、ご両親に責任があると言えるでしょう。ご自分の生活に合わせて子供を夜更かしさせるのではなく、 早く寝かせてあげるようにすることが大切です( 「成長ホルモンと睡眠との関係」も合わせてご覧下さい)。
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