30代の心の病
平成18年9月1日
社会経済生産本部メンタル・ヘルス研究所が、今年の4月に「メンタルヘルス(心の健康)の取り組み」 に関するアンケート調査を実施しました。
調査の方法は、社員のうつ病、神経症、 統合失調症などに関する状況を把握するためのアンケートの回答を全国の上場企業に依頼するというもので、218社からの回答がありました。 なお、この調査は、2年ごとに実施されています。
これによると、「心の病はどの年齢層に最も多いか」という質問に対しては、「30代」と回答した企業が最も多く、61.0%
を占めたそうです。4年前は41.8%、2年前は49.3%だったことから、
30代で心の病を患っている割合が急増していることが分かります。
また、「3年間で心の病が増加傾向」との回答も、4年前、2年前、今年と徐々に増加しています(今年は61.5%との結果)。
これらのことから、うつ病や神経症などを患っている人の総数が増加していて、かつ30代の割合が高まっていることから、ここ数年で、
30代の心の病が著しく増えていることが分かります。
一方、独立行政法人 労働者健康福祉機構が全国20カ所の労災病院で実施している「勤労者心の電話相談」のまとめで、
心の相談が増加傾向にあることが明らかになったそうです。
この「心の電話相談」は、2000年に開設されたものなのですが、相談件数は年々増え、2005年度は1万9178件に上り、これは、
前年度比17%増だそうです。
相談内容は、「上司との人間関係」がトップで1685件(前年比130件増)、次いで「同僚との人間関係」が1372件(同162件増)
となっています。これから、職場の上司や同僚との人間関係で悩んでいる方が多いことが分かります。
また、相談者は30代が最多で、次いで40代、50代、20代の順だったそうです。
以上の2つの調査結果から推察されることは、30代社員に心の病が著しく増えていて、
その多くが職場の上司や同僚との人間関係で悩んでいるということです。
では、このようになっている原因は何なのでしょうか?
その一つが、成果主義ではという考えがあるようです。成果主義のもとでは、先輩社員は自分の仕事のことで精一杯で、
後輩社員に仕事を教えたり、十分なフォローをすることに手が回らないというわけです。
また、社内のリストラによって社員数が減って、若い社員の仕事の負担が大きくなっていることも原因の一つのようです。実際、以前に比べると、
比較的若い人が中間管理職に就く傾向にあるようです。
ただ、社会や職場の環境はなかなか変えられないものですし、個人としては、
環境が改善されるのを待っていてもなかなか問題の解決にはつながらないことでしょう。
これからはますます、各個人が、心の悩みを解消したり、ストレスなどにうまく対処するための方法を待たないといけないようです。
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