スペインの脱シエスタキャンペーン

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平成18年8月15日

スペインでは、昼食を食べた後にゆっくりシエスタ(昼寝)を取るという習慣があります。私は、このことは知っていましたが、日本の生活習慣から推測して、正午から午後1時頃まで昼休みで、その後2時頃まで昼寝をしているものと思っていました。


ところが、最近知ったのですが、スペインでは午後2時を過ぎてからがランチタイムで、その後の始業は午後の5時、そして、終業は午後7時半頃だそうです。


つまり、昼休みが3時間もあり、ここで遅い昼食やシエスタを取っているそうです。また、働く時間が完全に朝と夕に分かれているのです。


このような勤務態勢にあるのは、もともと、20世紀のはじめ、まだまだ社会全体が貧しかった頃に、生活費を稼ぐために昼と夜の二つの仕事に就いていた名残だそうです。


ただ、このような勤務態勢にはいくつか問題もあるようです。


その一つが、親の終業時刻と子供の下校時刻に大きな差があって、とくに女性にとって、仕事と家庭との両立が難しくなっているということです。そのため、女性の社会進出が阻害されているというわけです。


確かに、日本では、小さい子供を持つ女性が外で働く場合、他に世話をしてくれる人がいなければ、午後5時頃には終わる仕事に就くことが多いです。このような方たちに午後7時半まで働いて下さいということになると、やはり家庭のことを考えると、仕事を続けるのが難しいということになるでしょう。


他にも、夕食が、午後9時や10時になってしまい、このため、就寝時刻が遅くなり、朝の仕事の能率が低下するという問題もあるそうです。


これについては、昼寝をしていても、夜の睡眠時間が短いと、昼間の活動に影響が出てしまうということのようです。それに、3時間の昼休みといっても、みんながみんな昼寝をしているわけではないでしょうから、実際にも睡眠時間が短いのかもしれません。


このような問題があることから、近頃、スペイン政府も「脱シエスタ」キャンペーンを始めたそうです。雇用環境を近代化して、他の経済先進国と同じ形態にしようというわけです。


ただ、長年慣れ親しんだ生活のリズムを変えるのは簡単でないこともあり、国民の間では賛否両論で、現状維持を望む声の方が多いようです。


日本でも、1時間生活リズムをずらすサマータイムの導入に対しても多くの議論がなされています。これから考えても、脱シエスタキャンペーンにいろいろと意見があるのは十分想像できますね。


まあ、私でしたら、3時間も昼休みをとって、その間ずっと職場にいるのなら、その分早く帰宅して、家庭に長くいたいですけどね。


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(管理用)