乳幼児の睡眠時間と肥満との関連

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米国ハーバード大学医学部助教授のElsie M. Taveras氏らによる調査・研究で、睡眠時間が1日12時間未満の乳幼児では、就学前に過体重になるリスクが2倍となることがわかったそうです。


調査の方法は、小児915人を対象に、生後6ヶ月~2歳までの睡眠習慣を親に報告してもらうというものでした。


この結果、平均睡眠時間は1日12.3時間だったのですが、睡眠時間が1日12時間未満の3歳児の体重は、1日12時間以上の小児よりも重いことがわかりました。


また、テレビを1日に2時間以上見ている乳幼児は、テレビを見ない乳幼児に比べて、過体重になるリスクが16%高いことが判明しました。


以上の結果をふまえ、Taveras助教授は、睡眠時間が短く、かつテレビを見過ぎると肥満のリスクが著しく上昇すると結論づけ、この原因として、食欲をコントロールするホルモンに端を発する可能性があるとしています。


実は、類似の調査は、過去に富山大学大学院の関根道和助教授らにより実施されており、「睡眠時間と肥満になるリスクの関係」にてご紹介しています。


改めてご説明いたしますと、調査の方法は、89年度に富山県内で生まれて、3歳児の時点で既に肥満であった幼児を除いて、3歳児検診以降に継続調査できた5,520人を対象にアンケートするというものでした。


このアンケート調査の結果、中学一年生までに肥満になった子供の割合は以下のものとなりました。


  睡眠時間が11時間以上          12%
     〃   10時間以上11時間未満  12%
     〃    9時間以上10時間未満  15%
     〃    9時間未満          20%


これからわかることは、睡眠時間が短い幼児ほど、中学生の時点で肥満になる割合が高いということです。


この原因としては、以下のことがあげられています。

・睡眠時間が短いと、脂肪を分解する成長ホルモンの量が減少するため

・睡眠時間が短いと、交感神経の活動がおさまりにくくなり血糖値が上がるため


以上2つの調査は、調査対象の年齢、また肥満か否かを確認した年齢に違いはあるものの、乳幼児にて睡眠時間が短いと、将来肥満になるリスクが高くなることを示している点で共通しています。


現時点では、睡眠時間の短さが肥満につながる原因ははっきりしていないようですが、この調査結果は知っておいた方がよいと思います。


睡眠時間が短い子どもは、夜遅くまで起きていることが多いですので、夜食を食べているかもしれませんね。もし、そうなら、これも肥満になる原因の一つとして考えられそうです。


なお、子どもの睡眠については、「赤ちゃん、幼児、子供(子ども)の睡眠」も合わせてご覧になってください。


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(管理用)