睡眠薬の副作用

スポンサードリンク



現在、広く使用されているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、以前のバルビツール酸系、ならびに非バルビツール酸系の睡眠薬に比べて安全性が高まっており、医師の指示どおりに服用している限り、問題になるものではありません。

とはいえ、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬も薬ですから、副作用がないわけではありません。そこで、ここでは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用についてご説明いたします。


(1)持ち越し効果
作用時間が長い「中間作用型」、「長時間作用型」の睡眠薬を服用する、あるいは作用時間の短いものでも服用する量が多すぎると、薬の作用が意図した時間よりも長く続き、朝スッキリ起きられなくなったり、起きたあとまで眠気が残ったりすることがあります。このような現象を「持ち越し効果」と呼びます。眠気だけではなく、めまい、ふらつきなどが生じることもあります。


(2)反跳性不眠、退薬症候
睡眠薬を服用することで不眠の症状が軽くなったときに、急に摂取量を減らすと、睡眠薬を飲み始める前よりも不眠の症状がひどくなることがあります。このような不眠のことを「反跳性不眠」と呼びます。反跳性不眠とならないまでも、頭痛、めまい、耳鳴りといった不快な症状が生じることもあります。

また、影響が著しい場合には、不安や焦り、振戦(筋肉の収縮・弛緩が繰り返されることで起こる不随意のリズミカルなふるえ)、発汗、せん妄(意識障害に加えて幻覚や錯覚が見られるような状態)、痙攣などといった退薬症候が生じることもあります。

反跳性不眠や退薬症候は、「超短時間作用型」、「短時間作用型」といった作用時間の短い睡眠薬で起こりやすく、作用時間の長い睡眠薬ではあまり起こりません。これは、作用時間の長い睡眠薬の服用を急に中断したとしても、その前に飲んだ睡眠薬の作用が持続しているためです。

このような副作用を起こさないためには、不眠がおさまったとしても急に服用を中止するのではなく、医師の指示に従いながら、徐々に睡眠薬の量を減らしていきます。あるいは、いったん作用時間の長い睡眠薬に変更したうえで、服用量を次第に減らす、あるいは飲む日にちを開けていくようにします。


(3)筋弛緩作用
筋弛緩作用自体は体をリラックスさせるものであり、睡眠薬の本来の作用ですが、睡眠薬摂取後すぐに就寝しないでいると、体に力が入らないことで転倒などの恐れがあります。とくに、高齢者は注意が必要です。


(4)一時的に記憶が飛ぶことがある
睡眠薬の催眠作用が働いているにもかかわらず起き続けていると、その間の記憶が残らないことがあり、「健忘」と呼ばれます。睡眠薬を服用したときには、すぐに就寝することが大切です。

また、健忘は、睡眠薬服用と飲酒を併せた場合に生じやすく、睡眠薬服用時にはアルコールの摂取を控えることが大切です。


(5)緊張が高まることがある
睡眠薬の基本的な働きは、精神面の緊張を緩和させることです。そのため、服用するとリラックスでき、この結果、入眠を促すことができます。ところが、ごくまれに反対に、緊張感が高まるという副作用が現れることがあり、「奇異反応」と呼ばれます。

奇異反応は、超短時間作用型の睡眠薬とアルコールを併せて服用したときに起こりやすいといわれています。


(6)呼吸が抑制されることがある
肺になんらかの疾患があり呼吸機能が低下している人では、睡眠薬を摂取すると、呼吸が抑えられることがあります。


このような現象が起きたときには、その旨医師に告げ、睡眠薬の種類を変更してもらうといった対応が必要となります。


スポンサードリンク



   

不眠症や、睡眠時無呼吸症などの睡眠障害を診療している都道府県別 病院・クリニック一覧です。→ 「不眠症、睡眠障害、睡眠時無呼吸症 病院・クリニック一覧」


(管理用)