睡眠薬の作用と効果
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睡眠薬は寝つきをよくしてくれるものというイメージが強いですが、睡眠薬の働きはこれだけにとどまりません。ここでは、睡眠薬の作用と効果についてご説明いたします。
現在多く使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、いくつかの作用と効果があり、これは、摂取した睡眠薬の血中での濃度に関係があります。
睡眠薬を服用すると、その成分が血中に取り込まれ、時間とともに徐々に血中での濃度が上昇していきます。これにともなって、以下の3つの作用が順に現れます。
1.抗不安作用
睡眠薬の成分が血中に取り込まれると、まず精神的な緊張が緩和されたり、不安が解消されたりします。
なお、この濃度で血中に留まるように作られているのが「抗不安薬」です。
2.筋弛緩作用
睡眠薬の成分の血中での濃度がさらに高まると、筋肉が弛緩され、全身がリラックスします。
3.催眠作用
さらに睡眠薬の血中濃度が高まると、脳の覚醒中枢の働きが抑えられ、反対に睡眠中枢の働きが強まり、眠気が催されます。
そのため、薬の量を加減することで作用を使い分けることができ、さまざまな不眠の症状に効果を発揮することができます。
ただ、現在は、睡眠薬の量を調整することで作用を使い分けるのではなく、それぞれの作用に応じた薬が作られ、使い分けされています。
たとえば、不安が原因で不眠が引き起こされている方には、抗不安作用のある睡眠薬が処方されるといった具合です。
また、「非ベンゾジアゼピン系」睡眠薬と呼ばれる新しいタイプの睡眠薬は、抗不安作用や筋弛緩作用がなく、催眠作用だけを持っています。そのため、筋弛緩作用による脱力や転倒といったことを防止することができます。
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