不眠症のタイプ
「不眠症の症状とセルフチェック」でもご説明していますが、不眠症の症状は、1.入眠障害、2.中途覚醒、3.熟眠障害、4.早朝覚醒の4つに分類され、このような症状が「週3回以上、1ヶ月以上継続している」場合に「不眠症」と考えられます。
一度は寝たけれど何かの物音で目を覚ましてしまい、その後眠れなかった、あるいは昼寝をしようとしたけれど眠れなかったというような一過性のものは不眠症とは呼ばずに「不眠」ということになります。
つまり、慢性的に不眠の状態が継続している場合に不眠症と判断されることになります。ただ、この違いは期間だけのものですので、不眠や不眠症の種類を分類するうえでは、これらを区別することはないようです。
以下、不眠・不眠症の種類を掲載いたしますが、とくに不眠と不眠症は区別しておりません。なお、それぞれの不眠症の種類の原因や対処法など詳細については、各リンク先ページをご覧になって下さい。
<不眠症の種類>
◆精神障害に伴う不眠症
精神病、気分障害、不安性障害、恐慌性障害、アルコール症が原因の不眠症のことです。動悸・息切れ、頭痛などの不眠以外の症状が同時に現れるのが特徴です。不眠で病院に掛かっている方の半数以上が「うつ」に伴うものといわれています。
詳しくは→「神経性不眠について」
◆神経疾患に伴う不眠症
脳変性疾患、痴呆、パーキンソン症候群などに伴う不眠症、また、致死性家族性不眠症、睡眠関連てんかん、睡眠時てんかん性発作波重積、睡眠関連頭痛があります。
◆精神生理性不眠
眠ること自体に対して不安と緊張を覚えて、十分な睡眠がとれないというものです。例えば、自宅の寝室以外の方がよく眠れるという場合、このタイプであることが考えられます。学習不眠、条件付け不眠とも呼ばれます。
詳しくは→「精神生理性不眠症について」
◆呼吸障害に伴う不眠
睡眠時無呼吸症候群(閉塞性睡眠時無呼吸症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群)、あるいは中枢性肺胞低換気症候群がこれに相当します。
睡眠時無呼吸症候群についての詳細は→「睡眠時無呼吸症候群」
◆概日リズム睡眠障害
体内時計のズレが原因で、本来望ましい時間に睡眠をとることができない睡眠障害のことです。略して、「リズム障害」と呼ばれ、ます。この睡眠障害は、「時間帯域変化(時差)症候群」、「交代勤務睡眠障害」、「不規則型睡眠・覚醒パターン」、「睡眠相後退症候群」、「睡眠相前進症候群」、「非24時間型睡眠覚醒症候群」、「特定不能の概日リズム睡眠障害」に分類されます。
詳しくは→「概日リズム睡眠障害」
◆睡眠状態誤認
本当は明らかに眠っている状態にも関わらず、本人は起きていると感じる不眠のことです。客観的睡眠障害のない主観的不眠症とも呼ばれます。
詳しくは→「睡眠状態誤認について」
◆周期性四肢運動障害(睡眠時ミオクローヌス症候群)
睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的にけいれんが起こり、眠りが中断されるという睡眠障害で、中高年から増えてくる症状です。
詳しくは→「周期性四肢運動障害(睡眠時ミオクローヌス症候群)」
◆むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
入眠時に脚がむずむずして耐え難い不快感があり、眠りが妨げられる睡眠障害です。
詳しくは→「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」
◆特発性不眠症(小児期発症の不眠症)
睡眠-覚醒システムをコントロールする脳の仕組みが、生まれたときからうまく働かないために起こります。幼少の頃から起こるのが最大の特徴です。
詳しくは→「特発性不眠症について」
◆妊娠随伴睡眠障害
妊娠によってホルモンの分泌に変化が生じ、これによって起こる不眠のことです。
詳しくは→「妊娠中の不眠と対処法」
◆環境条件による不眠
不適切な睡眠衛生・睡眠環境などに起因するもので、「環境因性睡眠障害」、「高地不眠症」があります。
◆薬物やアルコール常用による不眠
薬物あるいはアルコールが習慣化することによる不眠症で、「睡眠薬依存睡眠障害」、「中枢神経刺激剤依存睡眠障害」、「アルコール依存睡眠障害」があります。
◆他の医学的疾患、薬物による不眠症
不眠症や、睡眠時無呼吸症などの睡眠障害を診療している都道府県別 病院・クリニック一覧です。→ 「不眠症、睡眠障害、睡眠時無呼吸症 病院・クリニック一覧」 |
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