妊娠後期の不眠と眠気 うまく寝るには?

スポンサードリンク



女性は妊娠すると、とくに後期に夜なかなか眠れないことがあり、また日中は強い眠気に悩まされることがあります。ここでは、妊娠後期の夜の不眠とその対処法、ならびに日中の眠気についてご説明いたします。


女性は妊娠すると、初期の3ヶ月は、「プロゲステロン」というホルモンの分泌が多くなり、夜よく眠れるようになり、昼間に耐え難い眠気が起こることもあります(詳しくは、「妊娠初期に眠いのはなぜ? 妊婦さんの眠気について」をご参照ください)。


妊娠後6ヶ月頃になると、まだプロゲステロンが多いものの、その産生が緩やかになり眠気がおさまってきます。ところが、妊娠9ヶ月頃になると、「エストロゲン」というホルモンの分泌量が増え、反対にプロゲステロンの量が少なくなります。


これによって、出産前の時期は夜の不眠が起こりやすくなります。具体的には、深い睡眠(ノンレム睡眠の第4段階)が減少する、中途覚醒が増える、寝つきが悪くなるといったようなことです。


また、ホルモンの働きのほかにも、出産が近づいてくると、どうしても精神的な疲れや不安が大きくなり、これが眠りを妨げてしまうこともあります。さらに、お腹が大きくなることで寝る姿勢が制限される、腰痛がある、胎動が頻繁に起こることなどから、なかなか寝付けなくなってしまいます。


その一方で、夜にまとまった睡眠を取ることができない影響で、日中、強い眠気を感じるようになることもあります。


参考までに、このような妊娠初期における過眠や、妊娠後期における不眠は「妊娠随伴睡眠障害」と呼ばれるもので、睡眠障害の範疇に含まれるものです。


では、以下、妊娠中の不眠の解消法をご紹介いたします。


妊娠中の不眠の対処法

(1) 適度な運動をする
運動をすれば多少の疲労感が残るために、寝付きやすくなります。昼間に疲れすぎない程度に運動するのがよいでしょう。


(2) 昼寝を活用する
これは、夜の不眠そのものを解消するものではありませんが、家事の合間などに時間を見つけて昼寝をすることで、睡眠不足を補うことができます。この時期は、日中に眠たくなることも多いですが、それに逆らう必要はありません。ぐっすり休養を取るようにしてください。


(3) 寝る姿勢を工夫する
妊娠が進んでお腹が大きくなってくると、寝苦しくなったり寝つきが悪くなったりすることがあります。このようなときによいといわれているのが、「シムズの体位」です。

<シムズの体位>
・左右のどちらかに横向きになります。
・上になる方の手を前に、下になる方の手を後ろにします。
・両足をやや曲げます。
・少し膝を曲げます。膝の間にクッションや枕を入れるとよいです。

文章だけでは分かりづらいかもしれませんし、寝ている間にこの姿勢を保つのも少し難しいかもしれません。そのような方には、シムズの体位に適した抱き枕がありますので、こちらをおすすめいたします。
「シムズの体位 抱き枕」


(4) 寝具に工夫する
「たまごクラブ 2005年3月号」に掲載されていたのですが、妊娠中にリラックスして、よく眠れるシーツとして「トルン・シーツ」というものがあります。

これは、麻の繊維にトルマリンとゼオライトの微粉末を混ぜて和紙とし、それをシーツとしたものです。マイナスイオンと遠赤外線が発生することで、心がリラックスして安眠に導いてくれます。

このシーツは和紙であることから3ヶ月間しか使えないのですが、出産までの時期を考えると丁度よいかもしれませんね。 是非、寝心地のよい睡眠環境を整えてください。
「トルン・シーツ」


(5) アロマテラピーを活用する
人間の脳は、臭覚によって感情を司る部分が大きな影響を受けます。このことを利用すると、ある種の匂いをかぐことで緊張や興奮を鎮めることができ、これを香りの良いハーブの製油で行うのが「アロマテラピー」と呼ばれるものです。

リラックスのためによいと言われているハーブはいくつもあるのですが、その中で、妊婦さんに適しているといわれているのが「ラベンダー」です。ラベンダーの香りは人間の脳に働きかけて、とてもリラックスした状態にしてくれます。

アロマテラピーは簡単で、お湯を入れたコップに数滴製油(アロマオイル)を垂らすだけです。これを枕元などに置いておけば、部屋中に香りが広がって、安眠に導いてくれます。

ラベンダーオイルは以下のリンク先でお探しになれますので、よろしければどうぞご覧になって下さい。
「ラベンダーオイル」


(6) 精神的にリラックスする
精神的な不安や心配が不眠の原因になっている場合は、リラックスすることがまず第一です。このような場合には、リラックスに導いてくれる専用のCDを聴くことが効果ありです。

妊婦さん用に作られた「マタニティミュージック」というものがありますので、これを活用なさってみてください。お腹の中の赤ちゃんもリラックスできるので、胎教にもよいですよ。
「マタニティミュージック」


(7) 精神安定剤を利用する
どうしても眠れない日が続くようでしたら、かかりつけのお医者さんに相談して、精神安定剤などを処方してもらってください。

なお、お腹の赤ちゃんに対する影響が心配されますので、自分勝手に判断して、市販の睡眠改善薬やサプリメントなどを服用することはおすすめいたしません。



以上、妊婦さんの不眠対策についてご紹介いたしましたが、妊娠中の不眠は、いわば自然の摂理といえるものです。ですので、あまり深く悩まずに、適切な方法で対処しながら上手に付き合っていくのがよいでしょう。


なお、妊娠後期には、10%の方に「むずむず脚症候群」が生じるといわれています。これについては、「むずむず脚症候群」をご覧になってください。


スポンサードリンク



   

不眠症や、睡眠時無呼吸症などの睡眠障害を診療している都道府県別 病院・クリニック一覧です。→ 「不眠症、睡眠障害、睡眠時無呼吸症 病院・クリニック一覧」


(管理用)