睡眠のホメオスタシス性??
実は、睡眠に関しても、このホメオスタシス性が働いています。
簡単にいえば、睡眠不足になったとしても、体はある範囲にて均衡状態を保つように働き、 次の睡眠が自然と深くて質のよいものになるということです。
このことは、日常的にもご経験があるのではと思います。例えば、徹夜した次の日など、ふとんに入ればすぐに寝付くことができ、 しかも普段よりも眠りが深いことはないですか? また、反対に、数時間の昼寝をしてしまった日は、夜いつもよりも寝付きが悪く、 かつ眠りが浅いということはないでしょうか?
経験的には当たり前で、あまり深く考えられたことはないかもしれませんが、これが正に、睡眠に対するホメオスタシス性なのです。
つまり、それまでどれだけ睡眠が不足していたか、あるいは足りていたかによって、次の睡眠の質(深さ)と量(長さ) が決まってくるということです。
ということはどういうことかといいますと、必要以上に長時間の睡眠をとってしまうと、だんだんと睡眠の質が悪くなっていき、 深い睡眠がとれなくなるということです。つまり、全体として睡眠の効率が悪くなり熟睡できなくなってしまうのです。
これによって、寝付きが悪くなる、寝起きが悪くなる、また、熟睡できないことから十分に疲れがとれず、だるさが残り、 すぐに疲れてしまうということが起こります。さらに悪いことに、これらを解消しようと、 より長い睡眠時間を確保しようとしてしまうことが考えられます。
加えて、睡眠には脳や体や自律神経に休息を与えるという目的がありますが、長時間の睡眠をとると、以下の問題が生じます。
・脳を使わない時間が長くなり、その働きが鈍くなる。
・脳と同様、自律神経も働きが鈍くなる。
・使わない時間が長くなることから、体(とくに筋肉)が衰え、 動きが鈍くなる。
やはり、睡眠は、長さも大切なのですが、 それ以上に深さが大切なのです。
反対に、睡眠時間が多少短いとしても、睡眠の質が自然とよくなり、より深く熟睡できるようになります。
人間の睡眠は、はじめの3時間ほどが深く、それ以降は比較的浅いという性質があります。そのため、あまり長い時間睡眠をとっても、
全体の効率としては悪くなってしまいます。
3時間以下の極端に短い睡眠では問題がありますが、毎日、必要以上に長い睡眠時間を確保せずに、寝付きも寝起きもよく、 質のよい睡眠で熟睡できているというのが理想ではないでしょうか?
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