風邪やインフルエンザ対策としての睡眠

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風邪をひいたときやインフルエンザにかかったときなど、たっぷりの眠りがよいといわれます。では、この理由をご存じでしょうか?  ここでは、なぜ睡眠が風邪やインフルエンザの対策として有効であるのかについてご説明いたします。


体の中に病原体の細菌やウィルスが侵入すると、免疫機能が働いてそれらを非自己であると認識します。すると、 免疫担当細胞が活性化されて、細菌やウィルスの排除が始まります。

 

まず、免疫系の細胞が「インターロイキン1」という「サイトカイン」 を産生します。このサイトカインが脳の視床下部に運ばれると、「プロスタグランディンE2」 という発熱物質と、「プロスタグランディンD2」 という睡眠物質の合成を促進します。

 

プロスタグランディンE2は、体温を上昇させて、 熱に弱い細菌やウィルスに対して対抗する働きがあります。風邪をひいたときに熱が出るのはこのためです。

 

また、「プロスタグランディンD2」は、体に眠気を感じさせます。もう少し詳しくご説明いたしますと、ノンレム睡眠を引き出し、 レム睡眠を抑えます。なぜこのようなことを起こすのかといいますと、深い眠りであるノンレム睡眠を体に与えることで通常よりも長く深い眠りを確保し、 体力を温存するとともに免疫機能を高めているのです。

 

 

「一日の眠気のリズム」にて、人は体温が低下するときに強い眠気を感じるとご説明いたしましたが、 上記のような免疫が働いている場合には、いつもよりも体温が高い状態で、深くて長い眠りをとるようになるのです。

 

 

これは、人間の体に本来的に備わる、すばらしい働きです。したがって、仕事などの都合のため、 どうしても寝ていられないというような状況の場合は仕方がないのでしょうが、 基本的には解熱剤を飲むことで体温を無理に下げようとしてしまうことは、せっかくの免疫の働きを弱めてしまうことになります。

 

やはり、風邪をひいたりインフルエンザにかかったときには、睡眠をとるというのが大切で、早めの回復につながるのです。


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