あくびが出る原因は何?
あくびが出るのは眠くなってきたときに多いですよね。このことから、あくびの原因は睡眠不足にあるように思えます。ただ、このようなときに限らず、例えば、会議などで話の内容が面白くないときや退屈なときなどにも、あくびが出ます。
これらはどういう状況かといいますと、共通しているのは「脳の活動レベルが低下している」ということです。眠気が感じられるということは脳が疲れてきている現れなので、当然活動レベルが下がってきています。また、興味が持てる話を聞いているときには脳の活動も活発になるでしょうが、そうでなければ活動レベルは下がってしまうことでしょう。
「あくびがうつる、あくびが伝染する」とはよく言われることですが、実際のところは、そこにいる人たちの脳の活動レベルが下がっている状態にあるのかもしれませんね。
あくびをするということは、脳の活動レベルを上げようとしているわけです。具体的にどのようなことが行われているのかといいますと、あくびをする時は、口が大きく開かれ、いつもよりも多くの空気が吸い込まれ、最後には短く息を吐き出します。つまり、多くの空気を吸い込むことで、平常時よりも多くの酸素を脳に送っているのです。
参考までに、脳により多くの酸素を送ることを目的として、酸素サプリメントなるものが販売されていています(詳細は、こちらをご覧になって下さい。→「酸素サプリメント」)。
話を戻しまして、実は、あくびの目的は空気を取り入れることよりも、あごの筋肉を動かすことの方が大きいのです。あくびの時に口が大きく開かれるとあごの筋肉が強く伸ばされ、これが脳への刺激となっているわけです。
大きなあくびが出るときなど、周囲の人に気づかれないように口元を隠したりしますが、あごの筋肉が大きく動いていることから、完全に隠そうとすると顔全体を覆わなければなりません。とても、手のひらだけでは足りませんね。それに、涙が出ることもあります。
ここまででわかっていただけたと思いますが、やはり、あくびには意味があるのですね。ですので、問題ない状況であれば、大あくびを無理にかみ殺さない方がよいでしょう。
なお、あまりに頻繁にあくび(生あくび)が出て止まらない場合は、病気であることも疑う必要があります。とくに、脳卒中の予兆であることや、脳炎、舞踏病などに見られる症状のようです(※舞踏病
: 顔・手足に、繰り返し振幅が大きい短時間の突発的な不随意運動を生じ、踊りのような身ぶり手ぶりを示す病気)。
また、夜、十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中、強い眠気があり、あくびが多く出る場合は、「睡眠時無呼吸症候群」などの睡眠障害であることも考えられます。この点は、頭においておかれた方がよいでしょう。
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