出産後の眠気について
「妊娠初期に眠いのはなぜ? 妊婦さんの眠気について」、ならびに「妊娠後期の不眠と眠気 うまく寝るには?」にて、妊娠にともなって強い眠気に襲われることや不眠の症状が現れることについてご説明いたしました。これを簡単に整理すると以下のとおりです。
妊娠初期
「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というホルモンの分泌が増加し、夜よく眠るようになり、日中耐え難い眠気が起こることもある。
妊娠後期
「エストロゲン」というホルモンの分泌量が増え、プロゲステロンの量が少なくなる。これによって、出産前の時期は夜の不眠が起こりやすくなる。
また、出産が近づいてくると精神的な疲れや不安が大きくなり、これが眠りを妨げることもある。さらに、お腹が大きくなることで寝る姿勢が制限される、腰痛がある、胎動が頻繁に起こることなどから、なかなか寝付けなくなる。
その一方で、夜にまとまった睡眠を取ることができない影響で、日中、強い眠気を感じるようになることもある。
このような妊娠による眠りへの影響のことを「妊娠随伴睡眠障害」と呼び、この睡眠障害は、臨月を迎え出産後にも続きますが、妊娠後期に深い睡眠(ノンレム睡眠の第4段階)が減少していたのは、2週間ほどで元の状態に回復します。
ただし、ホルモンの影響による不眠はなくなるものの、出産後は、夜中にも赤ちゃんの世話をすることになり、一日の睡眠が不足しがちになり、どうしても、日中、眠気を覚えてしまいます。
新生児は、3時間ほどの間隔でお腹をすかせるために、授乳のためにお母さんはまとまった睡眠をとることができません。生後2~3ヶ月になると夜中の授乳は少なくなるものの、まだ1,2回は目を覚まします。
通常、生後6ヶ月ほどで夜中の授乳の必要もなくなり、お母さんは出産前と同じような連続した眠りを確保できるようになります。
参考までに、生後6ヶ月を過ぎても夜中の授乳がなくならないようでしたら、赤ちゃんの眠りの習慣に問題があることが考えられます。これを改善するためのマニュアルを作成しましたので、詳しくは以下のページをご覧になってください。
→「赤ちゃん・子どもがぐっすり眠る魔法の安眠術」
不眠症や、睡眠時無呼吸症などの睡眠障害を診療している都道府県別 病院・クリニック一覧です。→ 「不眠症、睡眠障害、睡眠時無呼吸症 病院・クリニック一覧」 |
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