睡眠時無呼吸症候群の治療法

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、自分ではなかなか気が付きにくい、また、いびきをかくという症状で受診するのもという理由などで、 治療を受けている人がまだまだ少ないのが現状です(潜在患者数約200万人に対して、現在、治療を受けている人はわずか約2万人だそうです) 。

ここでは、睡眠時無呼吸症候群の治療法について知っていただければと思います。



睡眠時無呼吸症候群は、以下のように診断されます。 

 軽  症 : 1時間に10秒以上呼吸が停止している状態が5~15回
 中等症 :                 〃            15~30回
 重  症 :                  〃            30回以上

 

<軽症の場合の治療法>

1.生活習慣の改善

軽症の場合は、家庭での少しの心掛けや日常生活の改善が基本となります。

 ・横向きに寝る、枕を低くする
 ・過労を予防する
 ・飲酒を控える(アルコールが気道の筋肉を脱力させてしまうため)
 ・減量する
 ・禁煙する(喫煙は血中の酸素濃度を低下させたり、喉や気道の炎症を引き起こすことがあるため)
 ・精神安定剤や睡眠薬の使用制限(一部の精神安定剤や睡眠薬は筋肉をリラックスさせ、かえって舌の落ち込みを大きくするものがあるため。 担当医への相談を要します)

 

<軽症~中等症の場合の治療法>

2.マウスピース

生活習慣の改善でもいびきが緩和されなかったり、無呼吸症を併発しているなどの際には、より効果の高い専門治療が必要となります。

その一つとして、マウスピースの使用があげられます。これは、下あごを前方に数mm突き出して噛み合わすようにするもので、 肥満による気道の閉塞や圧迫、あごや舌の沈下を防止できるほか、小さく細いあごなどが原因である場合にも高い効果が得られます。 患者さんの歯形に合わせて製作されます。

いびきを防止する効果が高く、熟睡できるようになります。また、空気を十分取り入れられ体内の酸素量が増えることから、 循環器系への負担が軽減されます。

比較的安価で携帯に便利なため、利用される患者さんが増えているようです。ただ、総入れ歯や、 鼻に病気があると適さないこともあります。

 

<中等症~重症の場合の治療法>

3.CPAP療法(Nasal Continuous Positive Airway Pressure;経鼻的持続陽圧呼吸療法)

頭部固定の専用の鼻マスクを鼻に装着して、これを介して加圧した空気を人工呼吸器のように気道に送り込むもので、 舌の落ち込みによる気道の閉塞も防止することができます。

ただし、鼻が悪いと使えないこともあります。使用できない場合は、マウスピースや手術などの治療になります。

 

4.外科手術

気道内の扁桃の肥大が明らかな場合や、口蓋垂(のどちんこ)が極端に長い、 あるいは他の治療法でうまくいかなかった場合などには外科手術が行われることもあります。 睡眠時無呼吸症の手術に熟練した耳鼻咽喉科医にお願いすることが大切です。

 

<重症の場合の治療法>

5.気管切開

生命の危険を脅かすような重症の場合、また他の外科手術で効果が見られなかった場合には、気管切開による気道の確保が必要となります。 これによって、睡眠時の舌や下あごの沈下による閉塞や扁桃肥大などの症状があっても、楽に呼吸できるようになります。

 

睡眠時無呼吸症は、ご自身の体に悪い影響もありますし、日中の生活にも差し支えます。また、社会的にも影響が大きいものです。 もし、この疾患が疑われる場合は、できるだけ早く診察を受け、 一日も早く質のよい睡眠を得られるようにするのがよいでしょう。


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