ナルコレプシー

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夜にいくら十分な睡眠をとっても、昼間、突然強い眠気に襲われ、そのまま眠ってしまうという病気があります。しかも、通常は考えられないような状況でも眠ってしまいます。これは、「ナルコレプシー」と呼ばれ、睡眠障害のひとつです。ここでは、ナルコレプシーについて症状や治療などについてご説明いたします。


ナルコレプシーは、かつて「眠り病」などと呼ばれていました。その語源は、ギリシャ語のナルコ(眠り)+レプシー(発作)で、文字どおり、日中、突然急激に眠ってしまう症状のある病気です。


このような日中の眠りは、10~20分程度で目を覚ますものですが、数時間おきに幾度も発生します。また、夜には入眠時幻覚があったり、頻繁に「金縛り(睡眠麻痺)」にあったりするなど、深刻な睡眠障害が見られます。


重症の場合には、笑ったりはしゃいだり感情に強い変化があると瞬間的に体の力が抜け座り込んでしまい、人前でも急に意識を失って倒れてしまったりすることがあります。


これは、「情動脱力発作(カタプレキシー)」と呼ばれるもので、情動の変化が引き金となり、脳から運動器官や筋肉への指令が届かなくなり、脱力してしまうことで起こります。言い換えれば、日中、いきなりレム睡眠に入ってしまうのです。ただ、発作の時間は短く、数秒から数分で何ごともなかったように回復します。


以前、テレビでこの症状を持つ方のVTRを見たことがあります。その方は、人と話していても料理をしていても突然、膝がガクッと折れ、首をうなだれて眠ってしまいました。症状がこれほどですと、日常生活を送るうえでも大きな支障が生じてしまい深刻なものとなります。


それでは、以下、ナルコレプシーの原因などについて解説いたします。

<原因>
睡眠と覚醒の切り替えをしている機構が不調になっていると考えられています。ただ、まだはっきりとは分かっていないのが実状です。遺伝的な要素が強いようです。


<診断>
重症の場合はすぐ診断がつきますが、軽症の場合や発症したばかりの頃は、なかなかチェックが難しいようです。一応の診断基準として、ほとんど毎日、日中に居眠りすることが3ヶ月以上続いた場合、ナルコレプシーの可能性が高いと診断されます。


<治療法>
眠気止めの薬や幻覚防止のための抗うつ剤の服用で徐々に回復します。また、昼間に2時間毎に10~20分の昼寝をとり、飲酒や睡眠薬の服用を避け、 適切な睡眠をとるようにすれば症状を緩和することができます。ただし、安全上、車の運転などは避ける必要があります。


ナルコレプシーは、十分な注意を払ったうえで、うまく付き合っていけば、健康的な日常生活を送ることが可能です。ですので、ナルコレプシーの症状が疑われる場合は、一日も早く専門医に相談することが大切です。


なお、ナルコレプシーについては、専門の書籍がほとんど出ていないようです(不眠症関連の書籍はたくさんあるのですが)。唯一見つけることができたのが以下の書籍です。参考になさって下さい。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 ナルコレプシーとは…/第2章 睡眠の仕組みとさまざまな睡眠障害/第3章 ナルコレプシー研究の歴史/第4章 ナルコレプシーの特徴/第5章 ナルコレプシーの診断と治療/第6章 社会生活での障害と対策/第7章 排除の思想をこえて
詳しくはこちらです。


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