金縛り(睡眠麻痺)
そこで、ここでは、金縛りの原因や意味・理由、対処法などについて解説いたします。
私が初めて金縛りを体験したのは、小学生か中学生の頃だったと思います。何かの拍子に夜中に目が覚め、目は覚めているのに体が動かないことに気づき、一瞬、「なんや、これ?」と驚きました。ただ、「体を動かす指令が頭から体にいっていないようだ」と、なぜか、冷静に判断していたことを覚えています。
その後も何度か金縛りを経験したのですが、とくに怖いと思ったことはありませんでした。ただ、布団の横に誰か、あるいは何かがいるという幻覚を見たことがあり、この時ばかりは恐怖で体を動かそうとしても動かず、でも、身震いが起こったり、歯がガクガクいったという記憶があります。
もし、初めて金縛りを経験したときにこのような幻覚を見ていたら、本当に怖かったかもしれません。よく、金縛りは、幽霊や心霊が原因の霊的なものであるといわれることがありますが、このように考えてしまうのも無理はないかもと思います。
金縛りは、医学的には、「睡眠麻痺」と呼ばれるもので、決して、霊が原因のものではありません。 金縛りは起きるときによって、大きく2種類に分けることができます。1つは、寝入りばなに起きるもので、もう一つは夜間や朝の覚醒時に起こるものです。これらは、なり方が異なっています。
1.寝入りばなに起きる金縛り
人は、通常、就寝すると、まずノンレム睡眠(脳の睡眠で、体は起きている)から始まり、その後、レム睡眠(体の睡眠で、脳は覚醒に近い)に移行します。ところが、何かが原因で、ノンレム睡眠がなく、いきなりレム睡眠に入ることがあります。
このような場合は、脳は覚醒状態に近く、目が覚めることがあります。つまり、この時に、目は覚めているけど、体は動かない(動かせない)という状況になります。これが、寝入りばなに起きる金縛りです。
2.夜間や朝の覚醒時に起こる金縛り
レム睡眠(体が寝ていて、脳は覚醒に近い状態)から覚醒するときに、普通であれば、体も動かせるようになるのですが、この切り替えがスムーズにいかず、脳は覚醒しているのに体は動かせないという状態になることがあります。これが、夜間の睡眠途中や朝の覚醒時に起こる金縛りです。
レム睡眠中は、呼吸は浅く速く不安定な傾向にあり、楽な状態ではないことから、不安を感じやすくなります。
また、夢を見るのはレム睡眠のときに多いことから、夢の体験が入り交じって幻覚を感じることもあります。また、風を顔に受ける、布団が肌に触るなど、外部から何らかの刺激を受けると、その刺激につながる記憶が呼び覚まされて夢に現れ、これが幻覚につながることもあります。
中には、重力に対する感覚がなくなり、体が宙に浮かんでいるような感じを受ける方もおられます。これは、重力を感じる体の神経が脳に入らず、まるで重力を受けていないような感覚に襲われることが原因です。
このような場合、幽体離脱や体外離脱だと考えてしまう方もおられるようですが、原因はこのようなことのようです。
金縛りは、睡眠不足のときや、徹夜の後、夜更かししたときなどに起こりやすいです。また、海外旅行による時差ぼけや、交代勤務などによる体内時計のリズムのずれが原因になることもありますし、疲労やストレスが要因になることもあります。
そのため、金縛りの予防・対策としては、睡眠不足を解消すること、生活のリズムを規則正しくすること、疲れやストレスをため込まないことなどが考えられます。
また、レム睡眠を減らす薬を服用することも効果があるようです。もちろん、専門のお医者さんへの相談が必要になります。
ところで、金縛りになったら、それを解く方法があります。それは、目をきょろきょろと動かすことです。金縛りのときは体は動かないのですが、目は動かすことができます。これを利用して金縛りに対処しようというのが、この方法です(実は、私は、この解き方を知って以降、金縛りになっていないので、自分では試したことはないのですが。。。)
これでも金縛りが解けない場合は、ゆっくりと正常に戻るのを待って下さい。心霊現象ではありませんから、あわてず恐れずです。
なお、金縛りは誰でも経験するようなものですが、「過眠症」の方は、頻繁に起こったり、寝つき際に悪夢を見るといった症状が現れることもあるそうです。この場合は、必要な治療を受けることをお勧めいたします。
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